このページの先頭へ

お仕事のご依頼・お問い合わせ

Scheduleスケジュール

【法話講師】にしゃんた「私が浄土真宗のみ教えに出遇うまで」|異文化出身僧侶が語る、SDGsと日本仏教の再発見

2025-09-23

浄土真宗の僧侶として法衣をまとい、真剣な眼差しで遠くを見つめるにしゃんた

去る2025年9月23日、私にとって僧侶としての「学び舎」でもあります吉井円光寺(浄土真宗本願寺派)にて、秋のお彼岸法要の法話を担当させていただきました。

今回の題は、「私が浄土真宗のみ教えに出遇うまで」

吉井円光寺のご住職は私の師僧であり、門徒の皆様は、私がまだ僧侶の道を歩み始める前から、師と共に私を導き、温かく見守ってくださった方々ばかりです。 いつもの講演会とはまた異なる、身の引き締まる緊張感と、深い仏縁を感じる特別な法座となりました。

浄土真宗本願寺派 吉井円光寺の彼岸法要にて法話を行う講師のにしゃんた。テーマはSDGsと仏教。

上座部仏教から、大乗・浄土真宗へ

法話ではまず、私のルーツであるスリランカと仏教の関わりから紐解かせていただきました。

私の実家は敬虔な仏教徒ですが、教育を受けたのは全寮制のカトリック系のミッションスクールでした。幼少期より世界4大宗教の寺院を回って祈りを捧げるなど、「宗教」は常に生活の一部として存在しておりました。

中でもスリランカは仏教が盛んで、満月の日を「ポヤ・デー」と呼び、国民が寺院で過ごす習慣があります。著書『ブッダと歩く神秘の国スリランカ』でも記しましたが、そこには社会の秩序としての厳格な仏教が息づいています。

いわゆる「上座部仏教(テーラワーダ)」の環境で育った私が、なぜ日本で「大乗仏教」に惹かれ、その極致とも言える浄土真宗本願寺派の僧侶となったのか。

上座部仏教は、自らの修行と行いによって悟りを目指す、ある種「徹底した自己責任」の教えと言えます。それは孤高で尊いものですが、同時に、修行を全うできない凡夫である私にとっては、超えられない「限界」でもありました。

そんな私が出遇ったのが、「阿弥陀様のお救い(他力本願・お念仏)」でした。 修行ができる者もできない者も、あらゆる命をそのままの姿で包み込み、決して見捨てない。そこにあったのは、自己責任の厳しさとは対照的な、「絶対的で普遍的な慈悲」の御教え(アプローチ)でした。 この教えの温かさに触れたとき、私の心は真の意味で救われたのです。

「日本らしさ」の答えは仏教にありました

また、敬虔な仏教徒であり、世界一の親日家として知られるスリランカのJ.R.ジャヤワルダナ元大統領との思い出や、彼が日本へ託した平和へのメッセージについても触れさせていただきました。

来日当初、私が不思議に感じていた数々の「日本らしさ」。 日本で仏教に出遇い、学びを深めていく中で、「日本人の精神の根っこには仏教があるのだ」と気づいたとき、抱いていた多くの疑問が氷解していきました。 異文化出身の僧侶だからこそ語り得る「日本仏教の再発見」という視点に、長年お聴聞を重ねてこられたご門徒様方も、有難いことに、深く頷いておられたように感じました。

にしゃんたの法話に聴き入る門徒の方々。吉井円光寺の秋のお彼岸法座の様子。

ダイバーシティ・SDGsと「お念仏」の世界

今回、有難いことに反響をいただいた一つが、私の専門分野である社会学と仏教の融合についてです。

  • ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の包摂)
  • 多文化共生
  • SDGs(持続可能な開発目標)
  • 人権問題

これらは現代社会の重要課題ですが、私は「仏教の教えは、これらをすべて包摂している(網羅している)」と考えております。 あらゆる「いのち」を分け隔てなく救い摂め取られる阿弥陀様のお心こそ、真のインクルージョンであり、誰一人取り残さないSDGsの精神そのものです。

日本で重ねた数ある出会いの中で、私の人生最大のものは「浄土真宗のみ教え」との出遇いに他なりません。 比較文化、社会学、そして仏教。これらが交差する中で、私なりの視点から、精一杯お話しさせていただきました。

法話「私がみ教えに出遇うまで」を語り進める僧侶にしゃんた

僧侶として、これからの歩みとご縁

現在は毎朝の正信偈を日課とし、僧侶として初心にかえり精進する毎日を送っております。 仏教は奥が深く、そして実に面白いものです。多くの方にとってそうであるように、私にとっても、人間として学び成長していく生涯のテーマになるに違いありません。

上座部仏教から大乗仏教へ、そして様々な宗教を経て浄土真宗へ。 私のように様々な仏縁が重なり、繋がっていった経験は、おそらく少し珍しいものかと思います。しかしだからこそ、私のような者の法話を通じて、いつもとは少し違う視点から仏法を味わっていただけるのではないか――。 ご門徒の皆様から、そんな温かな「気づき」をいただいたように感じました。

スリランカと日本、二つの視点を持つからこそ語れる「浄土真宗のありがたさ」や、現代社会が抱える「SDGs」「多文化共生」といった課題と仏教の繋がりについて。

もし、私の経験や視点が、皆様のお聴聞の一助となるようでしたら、宗派を問わず、お伺いさせていただくことも、この国への恩返しになるのではないかと、改めて感じる一日となりました。

称名念仏

___________________

This article is posted by the ”N” team , the management crew of Dr. Nishantha. About us: https://nishan.jp | Contacts : https://nishan.jp/contact

講演会へのご依頼・お問い合わせはこちら