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仏教の叡智とこれからの共生社会—スリランカからのことづけ—|講演講師

2025-03-07

仏教講演講師

仏教と社会のつながり

宗教は、人々を苦しみから救うだけでなく、社会の秩序を形作る上でも重要な役割を果たしてきました。これは、私(にしゃんた)がライフワークとして取り組んでいるダイバーシティ&インクルージョン、SDGs、多文化共生、国際理解、人権といったテーマとも深く関わっています。

先日、ご縁をいただき、福岡の浄運寺で「仏教の叡智とこれからの共生社会~スリランカからのことづけ~」というテーマでお話しするご縁をいただきました。

仏教講演講師

布施のこころ――仏教の叡智に学ぶ共生社会

この講演は、令和6年度 那珂組実践運動研修協議会が主催する「第10回 那珂組門信徒の集い」の一環として開催されました。浄土真宗本願寺派では、仏教の布施(ダーナ)の精神に基づき、思いやりや支え合う心を育むことで貧困の克服に取り組んでいます。今回の集いのテーマも「貧困の克服に向けて」でした。

開会では勤行(読経)が行われ、その後、組長の白山義章さんがご挨拶されました。続いて、社会福祉法人光明童園理事長であり、熊本教区水俣組西念寺の衆徒でもある堀浄信さんが、「子どもたちの笑顔のために~児童養護施設の現場から~」というテーマで講演されました。

休憩を挟み、私が「仏教の叡智とこれからの共生社会~スリランカからのことづけ~」についてお話をさせていただきました。最後に、副組長の佐々木成明さんのご挨拶をもって会が締めくくられました。

仏教講演講師

因縁の不思議さと仏教との歩み

自分が仏教について語る日が来るとは、かつて想像もしていませんでした。しかし、因縁とは不思議なもので、これまでの経験や学びが自然とこの場へと導いてくれたのだと感じています。

私はスリランカで生まれ、10代後半まで上座部(小乗)仏教の環境で育ちました。そして、日本に渡り、多くのご縁を通じて念仏の道に触れることとなりました。

両方の文化に身を置く中で、自然と上座部仏教と大乗仏教の共通点や相違点に目が向くようになりました。同じ仏教でありながら、それぞれの社会で人々の営み方に違いがあるのです。

かつて、スリランカ人であり日本への最大の貢献者の一人ともいえるJ.R.ジャヤワルダナ氏が、1951年に鎌倉で仏教哲学者の鈴木大拙氏に「大乗仏教と小乗仏教の違い」について尋ねた際、大拙氏は「なぜ違いを探すのか? 共通点にこそ目を向けなさい。」こう答えたそうです。

この言葉を思い返し、両者の素晴らしさや共通点を大切にしつつ、現代の共生社会において、人々がより豊かに生きるための智慧を深めることが大切だと考えています。

仏教講演講師

上座部仏教と大乗仏教の役割

日本には、スリランカなどの上座部仏教圏とは異なり、さまざまな宗派が存在します。その中で、なぜ私が念仏の道を選んだのか。最初は「偶然」のように思えましたが、今振り返ると、それは「あるべくしてあった」のだと感じています。

日本では、上座部仏教について深く知る方は決して多くないが、その点、10代後半まで上座部仏教徒として生きた経験からも仏教は南方社会で果たす役割の大きさがよくわかります。一方で、今になって、失礼な言い回しとなりましょうが、仏教の中の比較できる対象とのご縁をいただいたことで、人々の精神的な救済という観点から、上座部仏教の限界もあったのではと振り返ります。その点、「もしスリランカに大乗仏教の教えがあったなら、上座部仏教で救われていない人々が救われたのではないか。」こう考えることもあります。

浄土真宗では、自らを「大乗仏教の至極」と評しますが、上記の点を考慮すると「仏教の至極」として捉えることもできるのではないかと感じています。

ちがいをおおらかに語り合い、それぞれの良い部分や視点を共有することで、より豊かに信仰を深めることができるでしょう。単に宗派内の教えにとどまらず、上座部仏教へも視野を広げることで、信仰への確信を深め、念仏の味わいをより深めることができるのではないでしょうか。と生意気ながらかんが考えます。

ありがとうございます

これからの人生において、私は仏教とのご縁をさらに深めていくことになるでしょう。過去の経験をつなぎ、未来へと広げる中で、未熟であることを自覚しながらも、学び続け、精進し、自分の果たすべき役割を見つめてまいりたい考えます。

最後になりますが、この場を借りて、改めて今回のご縁に心から感謝申し上げます。今後とも、ご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

⭐️ This article is posted by the ”N” team , the management crew of Dr. Nishantha.
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