2025-12-04

西に東京ドームとスカイツリー、東に富士山を望む高層ビルの最上階。日本の建設界を牽引する皆さまを前に、にしゃんたは安全大会の基調講演として「多様性の現場で事故を防ぐコミュニケーション」の核心を、笑いと実例でかみ砕いてお伝えしました。
高齢化が進み、外国籍スタッフや女性技術者・技能者が当たり前に活躍する今、「同じ前提」での阿吽の呼吸やハイコンテクストな指示は、もはや通用しません。「違いしかあり得ない」現場だからこそ、有効な“普遍的なやり方”を見える化し、全員で共有することが安全大会の最重要テーマになっています。
会場は終始なごやかな雰囲気の中で、笑いとともに「伝わる安全」の具体的な工夫が紹介されました。この度のご縁に主催者・ご参加の皆さまに、心より感謝申し上げます。

ここ数年、「安全大会の講演講師」「安全衛生大会の基調講演」「外国人スタッフとのコミュニケーション研修」といったお問い合わせが、加速度的に増えています。
背景には、在留外国人の就労・就学層の拡大により、建設・製造・物流などの現場が「国際化を前提とした職場」として運用され始めている現実があります。国籍・世代・性別・文化が入り混じる現場では、「言ったはず」「分かっているはず」が、最も危険な思い込みになります。
だからこそ、安全大会で最優先すべきテーマは「数字の前にある安全」=「伝わる安全」です。その中心にあるのが、外国人スタッフを含む多様なメンバーとのコミュニケーション設計です。
多様な人材が集う現場に必要なのは、「同じ考え・同じ常識」を前提にそろえることではありません。
価値観・常識・文化の違いを前提として捉え直し、違いを見える化して、安全ルールや作業手順に反映させることです。

顔ごとの違い=異文化の理解、一刻一刻と進む社会的・環境的変化、VUCAな環境での事業運営。その中で、安全性を担保した上で、生産性・ミッション・目的達成を両立させる——。
今、安全衛生大会の「最前線のテーマ」は、異文化理解であり、ダイバーシティ&インクルージョンであり、多文化共生・国際理解そのものです。この分野を専門領域としてきたにしゃんたにとって、安全大会はまさに「違いを楽しみ、力にかえる」実践の場でもあります。
長年にわたり、全国各地の安全大会・安全衛生大会・安全衛生委員会に登壇してきた経験からも、にしゃんたは、いまほどこのテーマの必然性が高い時代はないと痛感しており、そのことを講演の中で強く訴えています。

安全大会の現状と課題を共有するために、講演では以下のようなデータも紹介します。
これらの数字は、「これまでどおりの安全対策」だけでは、現場のリスクをカバーしきれないフェーズに来ていることを示しています。多様化を“見える化”し、それに合った安全教育・指示・コミュニケーションへとアップデートすることが、安全大会で取り組むべき中心課題になっています。

厚生労働省のデータでは、全労働者の死傷年千人率が2.36であるのに対し、外国人労働者は2.77と高くなっています。さらに在留資格別に見ると、特定技能は4.31、技能実習は4.10、技術・人文知識・国際業務は1.17と、職種・在留資格によって大きな差があることが分かります。こうした状況を受け、第14次労働災害防止計画では「2027年までに外国人労働者の死傷年千人率を全体平均以下にすること」が明記されました。ここで強調したいポイントは、「人の質」の問題ではないということです。多くの現場で起きているのは、教育や能力の問題以前に、「言ったつもり」と「分かったつもり」のギャップが放置されているという構造的な問題です。安全ルールや注意事項が、日本語の長い文章で貼られているだけ、口頭で早口に説明して終わってしまう、現場の共通言語になっていない——こうしたコミュニケーション設計の甘さが、ヒューマンエラーやヒヤリハット、重大災害の温床になっています。言語・文化・経験年数の違いを前提にした「伝わる設計」をつくることこそが、安全確保の本丸であり、その中心にいるのが外国人労働者を含む多国籍チームなのです。

政府が掲げる「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」では、次の3つの姿が示されています。
これらは一見すると大きなスローガンのようですが、現場レベルで具体的な中長期課題に落とし込むと、次のようなテーマになります。
安全大会の現場に引き寄せると、このロードマップの核心は、
「伝わる言葉」「確かめる手順」「声が上がる仕組み」を標準化することに集約されます。
こうした問いを安全大会のテーマに据え、「共生社会のロードマップ」と「現場の安全」を一本の線で結ぶこと。その橋渡し役として、にしゃんたは講演の中で、政策レベルの話を現場の具体的なアクションにまで落とし込めるヒントとなる内容をお伝えします。

安全大会の講演では、単なるスローガンではなく、翌日から朝礼でそのまま使える運用の“型”として、次の「伝わる安全」5原則をご紹介しています。
これらの原則は、建設・製造・物流・清掃・介護など、業種を問わず応用可能です。にしゃんたの安全大会講演では、普遍的なそして具体的な事例を交えながら、現場での実装イメージを持てるようにお話しします。


Q. 安全大会の講師として、どんなテーマで依頼できますか?
A. 「外国人スタッフとのコミュニケーション」「多国籍化する現場の安全」「ダイバーシティ&インクルージョンと安全」「ハラスメント防止と安全文化」など、安全と人権・多文化共生を横断したテーマでご相談いただくことが多いです。御社の事故傾向や参加者構成に合わせて、タイトルと内容をご提案します。
Q. 建設業以外(製造・物流など)でも対応可能ですか?
A. はい、可能です。工場・倉庫・物流センター・病院・小売・サービス業など、多様な業種の安全大会・安全研修で登壇実績があります。外国人比率が高い現場、シフト勤務・派遣社員が多い現場など、それぞれの特性に合わせて具体例を変えてお話しします。
Q. 外国人本人向けの安全教育もお願いできますか?
A. 日本語レベルに応じて、やさしい日本語・英語・図解中心など、工夫しながら実施可能です。「日本人向け講演+外国人向けセッション」の二部構成も実施可能です。

安全は、“ちがい”から強くなります。伝われば守れる。守れれば、現場はもっと伸びていけます。安全大会・安全衛生大会の講師をご検討中のご担当者さまは、お問い合わせの際に、下記の情報をお書き添えください。
いただいた情報をもとに、現場の実情に合わせた「伝わる安全」プログラムをご提案いたします。
多国籍化する現場の安全について、にしゃんたへの講演・研修をご検討中のご担当者さまは、お気軽にご相談ください。開催候補日(第1〜第3希望)、想定される参加人数、主な業種・作業内容、最近の災害・ヒヤリハットの傾向、外国籍スタッフの比率・構成などをお知らせいただければ、貴社の状況にフィットした安全大会プログラムをご提案いたします。
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