2025-01-14
年明けの第2週末、日本中が最も寒いとされる時期に、赤十字社のご協力のもと、恒例の献血推進イベントがなんば広場で開催されました。 毎年このイベントは、地域社会と学生たちが一体となり、献血の重要性を広く伝える場として大変意義深いものとなっています。今年も私が担当する大学の「ボランティア論」の授業を受講している約100名の学生を中心に、多くの参加者が集まりました。朝9時過ぎには設営を始めた学生たちが3つのグループに分かれ、夕方4時過ぎまで寒さに耐えながら一生懸命声を張り上げて呼びかけを続けました。中には、献血が初めての学生もいましたが、勇気を出して自らも献血に協力し、貴重な経験を積んでくれました。
イベント終了後、ある学生がこんな言葉を残してくれました。
「年始早々にこういった活動に参加することで、自分自身が社会の一員として役に立てたという実感が湧き、心が清々しくなりました。この経験をきっかけに、今年一年は何事にも積極的に取り組みたいと思います。」
このような言葉を聞くと、教員として本当にうれしく、やりがいを感じます。学生たちが学びを実際の社会活動に結びつけ、自らの成長を感じる瞬間を共有できることは、教育者冥利に尽きるものです。
現代社会では、「循環」が重要なキーワードとなっています。 私たちの社会は、税制や社会保障の仕組み、そして私たちの身体の健康維持に至るまで、すべてが適切に循環することで成り立っています。献血もその一環であり、特に高齢化が進む現在の日本では、医療現場を支える血液がますます必要とされています。しかしながら、献血者の数は年々減少しており、若い世代が積極的に参加することが求められています。このような状況下で、学生たちが社会への関心を深め、献血という形で具体的な行動を起こしてくれることは非常に意義深いことです。
また、私は教員として、学生たちに「机上の学び」にとどまらず、「歩く・見る・聞く」という実践的な学びを大切にしてほしいと考えています。 これは、かつて私が学生時代に鶴見良行先生、中村尚司先生、田中宏先生から教わった大切な学びの姿勢です。現場に足を運び、自分の目で見て、耳で聞き、肌で感じることが、机上の知識をさらに深くするだけでなく、社会を理解する上で欠かせないプロセスだと信じています。このイベントもまた、学生たちがその大切さを体感する貴重な機会となりました。
最後になりますが、皆さまに改めてお願い申し上げます。 献血は誰かの命を支えるだけでなく、献血を通じた社会貢献が、参加した人々の心に希望や充実感を与える循環そのものです。この善意の輪を、より多くの方々に広げていただければ幸いです。どうか皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
寒い季節ではありますが、温かなご支援に心から感謝いたします。