2025-01-26
毎日新聞にインタビュー記事が掲載されました。「学校とわたし」『毎日新聞』(掲載日▶︎Web:1月25日|紙面:28日朝刊)
羽衣国際大(大阪府)の教授として教壇に立つ傍ら、タレントとしても活動するスリランカ出身のにしゃんたさん(55)は、高校生の頃に来日しました。働きながら学業に励む毎日。周囲に恵まれながらも、どこかで感じていた「いくら日本を好きでも、この社会では外国人」という思いを変える出来事があったといいます。【聞き手・井川加菜美】
イギリス連邦内の自治領セイロン(現スリランカ)で生まれました。子どもたちは牛車に乗り合わせて学校に通い、象が道を歩いているような景色の中で育ちました。
そんな中で登場したのがテレビです。日本の政府開発援助(ODA)により、テレビ局が整備されました。決められた放送時間になると、おやじがテレビを載せた台車を押してきて皆で見るんです。
そこで流れていたのが、NHK連続テレビ小説「おしん」でした。私にとって日本との最初の接点です。
おしんは途上国で人気が出ましたが、皆親近感を覚えたのだと思います。貧しく、物がないながらも笑顔を忘れず、前向きに生きていく。そういう普遍的な価値観がありました。
スリランカの景色も変わりはじめ、道路を象ではなく、自動車が走るようになりました。日本で製造された車です。日本に対するイメージが親近感から憧れに変わっていきました。
高校生の時、ボーイスカウトのスリランカ代表として初めて日本を訪れました。