2025-04-27
1980年代、日本では「国際」や「国際交流」という言葉がブームとなりました。にしゃんたも来日間もない頃から、京都府名誉友好大使などを務め、日本の国際化推進に貢献してきましたが、「国際交流」の場にいたのは短期滞在の留学生や訪問者たちが中心で、生活者として地域に根づく外国人、いわゆるオールドカマーたちの姿はほとんど見かけなかったのです。「同じ外国人なのになぜ?」そう疑問を抱いたが、オールドカマーと出会ったのは、華やかな国際交流の場ではなく、「人権集会」の場でした。そこは、明るさとは程遠く、重苦しい空気が漂っていました。同じのはずなのに、なぜ別れており、なぜこんなにも違うのか」──そんな疑問を抱いた。
そして「国際の場には深みを、人権の場には明るさを」──そんな思いを抱き続けた時に、出会った言葉、それが「多文化共生」でした。この言葉との出会いは、にしゃんた自身の人生を大きく動かしました。以来、彼は多文化共生をライフワークと定め、NPO活動、企業設立、大学での研究、全国での講演活動を通して、多文化共生の推進に取り組んでいます。そして今、確信を持って伝えています。「多文化共生こそ、これからの日本社会にとって最大のテーマである」と。
2025年3月24日、市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)主催の「市町村長・管理職特別セミナー」にて、「人口減少時代における多文化共生の未来」をテーマに講演。40年近くにわたる研究と実体験に基づき、豊富な事例と実践的なアクションプランを紹介し、多文化共生が地域社会にとって不可欠であることを、参加者と共有しました。講演後には複数の自治体首長から「ぜひうちでも」との声が寄せられ、地域づくりにおける多文化共生の重要性を、改めて実感しています。
にしゃんたが一貫して伝えるメッセージは、「違いを受け入れる」だけではなく、「違いを力に変える」ということ。地域の未来を切り拓くカギは、ここにあります。
多文化共生とは、単に異なる存在を許容することではありません。互いの違いを尊重し合い、影響を受けながら、新たな価値を共に創造していくプロセスそのものです。「外国人を受け入れれば共生だ」という単純な考えでは、真の多文化共生は成り立ちません。地域社会そのものが変わり、柔軟に進化していくことが求められるのです。
日本では、多文化共生という言葉が広がりつつありますが、現実には外国人を単なる労働力と見なす風潮が根強く、生活者、地域の仲間としての尊重が不足している場面が少なくありません。行政サービスの対応ギャップ、文化的誤解、孤立──これらが現場での課題です。加えて、「同じであることは安心」「違うことは不安」という無意識のバイアスが、多様性を阻害しているのも事実です。
しかし、日本は本来、異文化を受け入れ、融合する力に長けた社会でした。仏教、漢字、西洋科学といった外来文化を取り入れ、自らの文化に昇華させてきた歴史があります。この柔軟なアレンジ力と融合力こそ、今こそ多文化共生の推進に活かすべき日本人の強みです。違いを恐れず、受け入れ、磨き上げる──この歴史的な知恵を、未来へと生かすときが来ています。
多文化共生は単なる福祉政策ではありません。地域におけるダイバーシティ推進は、イノベーションを生み出す強力なエンジンでもあります。異なる文化、異なる視点を持つ人々が交わることで、新たな発想や価値が生まれ、地域社会や企業の競争力が大きく向上します。講演では、国際社会の成功事例や日本各地での取り組みを紹介し、多文化共生がもたらす具体的なメリットと課題を、現場視点からわかりやすく解説しています。
さらに、多文化共生を推進する上で不可欠な「人権」の視点にも重点を置いています。外国人を単なる労働力ではなく、一人ひとり尊厳ある存在として尊重する。地域の日常生活に「共生」と「尊厳」をどう実装していくか──具体的な事例を交え、実践的に語ります。
違いを恐れず、違いを楽しみ、違いを力に変える──にしゃんたは自身の経験を通してその可能性を示し、聴く人に「自分にもできるかもしれない」という勇気を届けています。
にしゃんたの講演をお聞きくださった皆さまからのご感想が、後日、事務局を通じて届けられました。多くの温かく、前向きなお言葉をいただき、にしゃんた本人はもとより、スタッフ一同、大きな励ましと力をいただいております。この場をお借りして、主催者の皆さま、そしてご参加くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。
・多文化共生の本質が学べた。|「共生」の必要性、難しさについて理解できた。|講師の人柄がにじみ出る分かりやすい話を聞くことができた。|内容も良く、お人柄も良く、講師がめちゃくちゃ良かった。違いを楽しみ、みんなで笑い合える社会ってすてきです!|多文化共生について、大変有意義だった。今後に繋げたいと思った。|漫談調でとても分かりやすい。若手職員にうけそう。「笑」をとりながら現実的課題に則した講義内容で、多文化共生の理解に大変有意義だった。|多文化共生の構造的課題が整理でき、今後の施策の参考となった。|当町においても9%の外国籍の割合で、参考となる講義だった。|話術もさることながら、多文化共生の本質をとらえた話で大変有意義だった。|外国人だけでなく、世代間にもあてはまる考え方であるので参考になった。|違いの中で、どのように行政運営していくかのヒントが学べた。|元外国籍の方の視点からの多文化共生、の考え方が興味深かった。講演もユーモアがあって楽しめた。|日本人以上に日本のことを勉強し、これをユニークなトークに置き換えており、引き込まれた。話す内容もなるほどと思うことばかりだった。|今回セミナーを受講しようと思った一番の理由がこの講演で、期待どおりだった。|理想の社会実現に向かって、私自身がどのように変わらなければならないのかに気づかせていただいた。|違いを認めて相手を生かし、自分も楽しんで生きていくことは今まで分かっているようで分かっていない部分であったが、スリランカ出身で体感してきたことが元になっているので、理解しやすかった。
「多文化共生」は単なる理想論ではありません。人口減少、経済縮小、社会の閉塞感といった日本社会の現実的課題に対する、具体的な解決策の一つです。全国各地でのリアルな事例をもとに、成功例だけでなく課題や苦労も率直に紹介しながら、未来へ向けた実践的なヒントをお届けします。人口減少時代だからこそ、外に開かれた、活気ある地域社会を作る──その第一歩を、共に踏み出しませんか。
にしゃんたの多文化共生講演・まちづくり講演・ダイバーシティ講演・イノベーション講演・外国人との共生講演・人権講演にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。全国対応・オンライン講演にも対応しています| This article is posted by the ”N” team , the management crew of Dr. Nishantha. About us : https://nishan.jp | Contacts : https://nishan.jp/contact【講演依頼・お問合わせページへ】