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講演講師|ちがいを楽しみ、力にかえる|近畿同朋運動推進協議会 創立70周年記念大会にて

2025-05-14

仏教講演講師にしゃんた氏が登壇、『ちがいを楽しみ、力にかえる』をテーマに近畿同朋運動推進協議会で講演中

このたび、近畿同朋運動推進協議会の創立70周年記念大会にお招きいただき、にしゃんたが記念講演のご縁をいただきました。「ちがいを楽しみ、力にかえる」と題して行われた講演では、仏教・浄土真宗の視点を軸に、人権多文化共生、そして宗教の社会的役割について、経験を交えながらお話しさせていただきました。

冒頭では、2021年に名古屋出入国在留管理局で亡くなられたスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの事件に言及。スリランカ出身のにしゃんたにとっても深く心を揺さぶられる出来事であり、「あの場に仏教徒が、念仏者がいたならば、命の扱いは変わっていたのではないか」という問いを投げかけました。宗教者のまなざしが社会に根づいているかどうかが、人の尊厳にどう向き合うかという点で重要であることを、静かに訴えました。

また、母国スリランカの仏教文化についても紹介。敬虔な信仰が日常に根づく社会において、人々が自然に「徳を積む」ふるまいを行っている様子や、物乞いの方が説法を通して人々と関わる姿など、仏教が社会の潤滑油として機能している例をユーモアを交えて語りました。一方で、差別や恐れを土台とした信仰の側面にも触れ、「宗教が救いになる一方で、人を縛る力にもなり得る」ことへの問題提起も行いました。

仏教講演講師にしゃんた氏による仏教・浄土真宗の視点からの講演スライド、『宗教と多文化共生・人権』について解説

講演では、日本とスリランカを結ぶ仏縁にも光が当てられました。1951年のサンフランシスコ講和会議で、スリランカ代表ジャヤワルダナ氏が語った「憎しみは憎しみによってではなく、愛によって消える」という仏典の一節を紹介しながら、宗教が国家間の和解と尊重に果たしうる役割をあらためて共有しました。

人権についての考察では、「違いとどう向き合うか」という点に焦点をあて、日常や社会制度の中で私たちが“ちがい”に対してどのような態度をとっているかを、優しく問いかけ、もっとも大切なのは「違いを尊重しながら、自らも少しずつ変化していく」ことではないか、と語りました。そのような姿勢を支える力として、仏教の教えの持つ可能性があることにも触れました。

にしゃんた自身の家族の体験を通して出会った浄土真宗の教えについてもお話しました。「あなたはそのままでいい」と語りかけてくれるような、やさしく、あたたかな言葉に救われた経験があるからこそ、いまその教えを、国内外に伝えていく必要があると感じている――そのような思いをにじませました。

講演の最後には、「ウェサックまつり」についても触れ、日本の仏教が他国の仏教徒とつながる新たな可能性として、国際的な交流の場の提案も行いました。日本でも、こうした仏教行事を通じて仏縁が広がり、より開かれた仏教文化が育まれていくことを願っております。

仏教講演講師にしゃんた氏と参加者との対話、多文化共生と宗教の社会的役割をテーマに意見交換

「ちがいを楽しみ、力にかえる」。それはにしゃんたがこれまで多くの講演で語り続けてきたテーマですが、今回あらためて、宗教・文化・価値観の違いをどう捉えるかが、これからの人権共生社会づくりの土台になることを再確認する機会となりました。

ご来場いただいた皆さま、そしてこの講演の機会をご用意くださった皆さまに、心より御礼申し上げます。

This article is posted by the ”N” team , the management crew of Dr. Nishantha. About us: https://nishan.jp | Contacts : https://nishan.jp/contact

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